最近歯ブラシを朝のみする方を何人か見かけます。
私が子供の頃「朝起きたら顔を洗い歯磨きをする」これを親や学校で教わりました。実際、我が家の両親、祖父母も朝の歯ブラシをしていましたが夜磨いていたのを見たことがありません。(父は歯科医でなくサラリーマンでした)確かに就寝時は唾液の分泌も抑え、朝目覚めた時は口の中が粘つきスッキリ感がありません。これを解消するための歯ブラシだったと思います。
また、起床時は口の中の細菌が増加している為口の中が粘つき口臭も気になります。
その為、口の中に溜まった細菌を洗い流す為うがいが推奨されています。
私もそう思っていました。
ところが、10年以上前にある学会で中国の東洋医学で有名な先生の講演を聞いた時、その先生は「この口の中の細菌は自分の体からの物なので、朝起きたら「ごっくん」とそれを飲み込んでください。それが自己免疫になります。」と目から鱗でした。
今だにどちらが正解なのか迷っています。
あともう一つ!
歯は虫歯じゃなければ大丈夫という思い込みがかなりあります 。
子供の時から虫歯がなくどんな物でもガンガン食べることができた方は、自分は歯が丈夫だから大丈夫、歯には自信があると思い込んでいます。それは虫歯に対してでありところが、歯も長期間使うと腰や膝などと同じようにそれなりに使い減りしてきます。
皆さんある程度の年齢になると重いものを持ち上げる時や、かけ出す時など体を庇いながら注意しますが、歯に関しては若い時と同じように100の力でガンガンかんでしまい、それが原因で破折して抜歯になってしまいます。そう傾向のある方にはいきなり100の力では噛まず、初めのひと噛みは6割くらいの力で噛むようにお願いしています。
医療機関は「何か不調があったら行く所」だとみなさん思っています。内科に全く健康で食欲もあり血圧も正常な方が受診しません。
歯科も虫歯で歯が欠けた痛い、歯がしみる、または歯肉から出血するなどの症状がある時に普通は受診します。現代社会では虫歯はかなり減少していますが、歯周病は逆に増加傾向にあります。
日本では9000万人が歯周病だと言われています。
歯周病は世界で最も蔓延している病気でギネスでも認定されています。
歯周病は自覚症状が出にくい病気なので、ほとんどの方が受信されると歯周病と診断されます。
今までの「歯医者=虫歯」の考えから「歯医者=歯周病」という考えにパラダイムシフトしましょう。